こんにちは。
しばらくブログを更新出来ておりませんでしたが、10月に入り、季節もだいぶ秋めいて参りました。
今回は、何回かに分けて弊社の新たな取組みをご紹介したいと思います。
早速ですが、みなさんは「活版印刷」をご存じでしょうか?
活版印刷とは古くからの印刷技術で、「活字」と呼ばれる鉛で出来た文字を一文字ずつ拾い、組み合わせた版の凸部分にインキを付け、紙にインキを転写する印刷の事です。
今、この昔ながらの「活版印刷」が再び注目を浴びてきております。
もともと、「活版印刷」とは『活字』を使用した印刷方法を指しますが、現在では樹脂版やマグネシウム版で凹凸の版が作成出来るようになり、これらの版を使用して印刷を行う方法も総称して「活版印刷」と呼ばれています。この樹脂版やマグネシウム版の素晴らしい点は、ロゴやイラスト、フォントなどをデータからそのまま版に出来る事です。そして、その版を用いて印刷をする際、紙に圧力をかける訳ですが、その圧力によって紙に凹みが生れます。
昔は“いかに凹ませないで平坦に印刷が出来るか”が職人の腕の見せ所だったようですが、最近では逆にその“凹み”が「温かみがある」「手触り・風合いが素敵」「高級感がある」などで、名刺はもちろんグリーティングカードや結婚式の招待状など“大切な印刷物”のために使われる機会が増えています。このようにあえて凹ませる事で現代の印刷機械では出来ないこの質感や風合いがクリエイタ―を始め、感性豊かな多くの人達に新鮮さをもって受け入れられてきております。
さて、この「活版印刷」をこのたび復活させた訳ですが、きど印刷所ではドイツのハイデルベルグ社製のプラテンT型機(通称:プラテンまたはWind mill【風車】)を所有しております。日本では「プラテン」と呼ばれておりますが、海外では「Wind mill」と呼ばれています。なぜ風車、と呼ばれているか?というと、実際に印刷機が動いている所をみていただければ、「なるほど…」とすぐに理解できますが、用紙を掴んでいるグリッパ―という部分がぐるぐると風車の様に回転するからです。
この活版印刷機の“名機”である「プラテン機」を導入したのは、今からちょうど50年前の1966年にさかのぼります。
半世紀も昔の機械、まだ私が生れていない時代…の機械がこのたび復活いたしました!
次回はこの「プラテン機」がなぜ復活する事になったのか?についてもう少し詳しくご紹介したいと思います。
それでは。